みなさん、こんにちは。Kaoです。
今日は「スキルの維持」についてお伝えしたいと思います。
結論を先に書くと、
Excel、PowerPointを無駄に使う
です。
帯同先に移住して間もない頃、つまり駐在妻生活がスタートしたばかりの頃は、「退職からそれほど時間が経っていない」という方が非常に多いです。
そんなときだからこそ、声を大にしてお伝えしたいことがあります。
「今あるスキルを維持する意識を持つべし!」です。
ここでいう「スキル」とはOfficeの操作で、具体的には、Excel、PowerPointです。多くの方が仕事を通して日常的に使っているものですよね。それが「スキル」に該当するなんて意識もなく、当たり前に使用していたのではないでしょうか?
その「当たり前に使用できる状態」というのがポイントです。この状態のままでキープしておくと、後が非常に楽です。
今は何の意識もせず手が勝手に動く状態でも、使わなければあっという間に操作方法を忘れてしまいます。
「でも…… 仕事を辞めた今、ましてや移住先でなんて使う機会なくない?」
こう思う方もいると思います。私もそうでした。
そこで、「無駄に使う」ということが大事になってくるのです。私が使っていた具体的なシーンを、そのメリットとともにシェアしたいと思います。
こうすることで、労働市場から離れている間も最低限のスキルを維持することができます。
目次
Excelを無駄に使う

◆シーン◆
日々の家計簿、学費等の出費管理
◆具体的作業◆
・家計簿エクセルを作る
・レシートを取っておいて、夜に入力する(購入品・金額)
・月ごとにシートを分ける
・ついでに為替もメモ
◆副次効果◆
・中国語を覚える(野菜名など、改めて見ると面白い!)
・中国語のピンイン入力が早くなる
・帯同生活はどこにどれだけお金がかかるのか客観的に把握できる
◆ポイント◆
・敢えて複雑な計算式を入れてみる
・関数を積極的に使う


中身はお見せできないので、かなりぼやけた状態にしていますが……。イメージは伝わると思います。
Excelは、家計簿をつけるのがお勧めです。購入内容を毎日入力するだけでもパソコンに触れるきっかけになります。何より、「定期的」に「数字」を入力するのはよいトレーニングになります。
1カ月ごとに締め、「我が家財務資料」と題して夫に送り、内容を簡単に共有していました。
「この表、すんごい計算式だなー!」
「力入れすぎやろ!会社の予算資料より洗練されとるわ!」
「ほんと、無駄にレベル高いなー」
と、毎回大爆笑されていました(笑)
「無駄に」の言葉の通り、半分遊び?のような感じで作成していたので、気楽に続けられたのだと思います。
「今あるものを、労力をかけずにキープする」が目的なので、「楽しみながら」が基本です。
別に会社に見せるわけでも、誰かに足りない売り上げを指摘されることもありませんからね。
ちなみに、毎日お金を使うわけではないので実際の入力は週に1、2回でした。が、この程度でも「スムーズな操作・数字を扱うことに対する慣れ」の維持には十分貢献してくれました。
PowerPointを無駄に使う

◆シーン◆
旅行、帰国時の「提案書」
◆メリット◆
・PowerPointの基本操作を忘れない
・ストーリーを組み立てる力が失われない
・「見やすい」「理解しやすい」などの感覚的なものが失われない
・伝えたいことを整理する思考回路が維持できる
◆副次効果◆
・旅行が数倍楽しみになる
・旅行中もかなり便利
・行ったあとも思い出に残る
・中国の地方都市に詳しくなる
◆ポイント◆
・「◯◯ご提案書」と、資料モード満載にしてみる
・クスッと笑える内容を盛り込んで楽しむ(完全に自己満足でした)


これは、毎回商談資料を作るつもりで楽しんでやっていました!
国内旅行に行く前には、全体スケジュールや移動手段、代表的な観光場所の事前情報などを、ひとつの資料にまとめていました。
「◯◯旅行ご提案書」と題して(オリジナル旅行しおりの役割も兼ねて)PowerPointで作成していました。ネット情報を駆使して、写真をふんだんに盛り込み、自分でいうのも何ですがかなりクオリティ高かったと思います(笑)訪れる先の情報を色々見ながら、楽しみを膨らませながら作っていたので、いつも一人でニヤニヤしながらパソコンに向かっていました。
ときにはふざけた内容も盛り込んで。これもExcelと同じですね、仕事ではないので、楽しんでやっていました。共有する相手は夫しかいないのが少し悲しいですが……汗
「資料としてクオリティ高すぎやろ!」
「この組み立て、説得力ありすぎやろ!」
「無駄にすごい」
と毎回、大爆笑でした!
例えふざけた内容であっても、全体を見やすくするフォント微調整や、色分け効果、全体を通したストーリー構成など、頭を使う部分は本気で取り組んでいますので、感覚を忘れないためのよい練習になります。
PowerPoint資料の作成頻度は2カ月に1度程度でした。
中国語学習での使用
上海在住時に大学の留学生コースに通っていましたが、上級に上がったとたんにPowerPointの使用頻度が急上昇しました。
授業では「調べてきたことを前に出て発表する」という課題が増え、毎回資料を作成し事前提出するという流れだったからです。
同じ時期に、長い文章を提出する宿題も増えたこともあり、Wordもよく使用していました。(会社員時代は、Wordの使用はほぼ皆無でした)
ただ、初級から中級にかけては、パソコンを使う機会はほとんどありませんでした。 なので、やはり自主的な維持は非常に有効になります。
自主的な維持が必要な理由

Officeが使えないなんて、あり得ない
今の時代、Officeが使えないと話になりません。
しかし、
使っていないと、使えなくなります。
やはり衰えていきます。ツールバー内の位置など、思い出せなくなります。今まで何も意識せずできていたことができなくなり、後からキャッチアップが必要になるなんて、非常にもったいないことです。
無くしたものをまた思い出させるよりも、今あるものを軽い力で維持しつづける方が楽ですし、かかる労力も小さく、賢いやり方です。
もっと基本的なことを言うと、パソコンを定期的に「手を動かして」操作すること。
ネットの情報ばかりをなぞるのではなく、意識的に「操作」「創作」という動きを組み込んでいくことが重要になります。
帰国後、再就職したい会社、仕事がどのような職種であれ、Excel、PowerPointと無縁の職種は皆無と言えます。
更には「操作方法を知っている」だけでは不十分であり、「それらを使って仮説を立てたり、人が理解しやすい資料を構成する」というレベルであってこそ「使いこなせるレベル」と言えます。
特にPowerPointは、構成を考えたり、ストーリーの流れを組み立てたりしますよね。これらに使う思考回路は使わないと衰えます。感覚的なものに支えられている部分も大きいので、どんどん鈍っていきます……
駐妻生活に入ってパソコンを全く使わなくなったという方、少なくありません。確かに使う機会がないのです。(仕事をしていると当たり前のように毎日パソコンに向かいますが)
そうなると、Officeのスキルうんぬんよりも、ITに触れる感覚もごっそり抜け落ちてしまいます。結果、スマホばかりになりがちなのですが、これはよくありません。スマホは便利ですが、「両手で入力する・客観的に数字を見る・考える」という思考回路は使いませんから。
パソコン、ITから完全に離れると今の世の中、恐ろしいぐらい何もできなくなります。特に、労働市場に戻ったときに使い物になりません……
当たり前にできることほど、維持することを忘れる

最後に、私の実体験をシェアさせていただきます。
「当たり前にできることほど、維持することを忘れる」
これを感じたのは、Officeだけではありません。
例えば、新聞です。中国に引っ越してから、毎朝新聞を読む習慣がなくなりました。本は読んでいましたが、新聞ってまた少し違いますよね。
帰国後、新聞購読を再開しました。2年半、新聞の活字を全く読んでいなかった私は、自分でも驚くほど読む速度が落ちていました。
同じ活字でも本とはまた違いますよね、新聞には新聞の読み方があるというか。皆さん恐らく意識せずにやっていることなので、説明が難しいですが。視線を置く順番や全体をさっと見る技術というか。
そのときに「中国在住時、電子版でも購読しておけばよかったな」と後悔しました。
普段、何気なく読んでいる新聞ですら、こんな結果になります。
一旦抜け落ちたものをキャッチアップするより、今あるものを「維持」をする方が結局のところ数倍楽なのです。
Excel、PowerPointが「特に意識せず楽々使える」状態である場合、その状態のうちに、日常生活の中に「無駄に使う」を放り込んでいきましょう。 操作の感覚を含めた「活用に必要な最低限のスキル」を維持することをお勧めします。
まとめ:もつべきマインドととるべき行動
~もつべきマインド~
- 当たり前にできるがゆえ意識しないものでも、立派なスキル
- 使わない能力は例外なく落ちていく
- 落ちたあとキャッチアップするより今を維持する方が数倍楽
~とるべき行動~
- 家計簿付けでExcel能力維持
- 旅行等イベント時に資料作ってPowerPoint能力維持
- 自分以外の人に見せて共有する
- 大いにふざけて、楽しみながらやる
最後までお読みいただき、ありがとうございました。今回は「今ある能力を維持する」を切り口にお話ししましたが、次回は「未来につながる資産をつくる」について、皆さんとシェアしたいと思います。
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