駐在妻が帰国後の仕事に困らないためにすべき15の行動【11】本帰国が決まったときの不安の構造を理解する

みなさん、こんにちは。Kaoです。

駐在妻として帯同先で過ごしつつ、帰国後もう一度仕事をするために準備をしてきたあなた。

本帰国が決まったとき、何とも言えない大きな不安が襲ってきます。

「何か、急に不安になってきた」

気持ちがドーンと不安になってしまったとき、この記事を読んでいただくことで「得体のしれない不安」の正体を知り、成仏させて、気持ちが少しでも楽になるように、私の経験をシェアしたいと思います。

本帰国への不安に対して、最終的にどう向き合うべきか。

結論を先にお伝えすると、

現実の世界に戻る覚悟を決める

です。

ちょっと厳しいことを書きますが、どれだけ「危機感もってやってきた」といっても、やっぱり駐妻タイムは甘い世界なのです。ぬるま湯から抜け出すカウントダウンが急に始まると、そのことに本当の意味で気が付くのです。

私は、「自分はちゃんと考えている」とずっと思っていました。「私ほどちゃんと考えている人はいない」ぐらいに思っていました。

しかし、本帰国を言い渡されたとき、今までの時間はぬるま湯だったと…… 目が覚めました。

不安との向き合い方

とにかく書く、書き出す

不安になったときは紙とペンです。誰も見ないので綺麗に書く必要はありませんし、会社の資料ではないのでまとまっている必要はありません。

心の中にある言葉をとにかく書き出してみてください。

普段「何か書いて」と言われてもペンが進まない。でもこういうときって、1つ、2つ書くと後は一気に出てくるものです。

当時、私が書いたことはこんなことでした。(実は今でも手元に残っています)

・翻訳やりたいけど明らかに実力足らなさすぎ
・現実的に無理なんじゃない?
・もっとやっとけばよかった
・素人ができへん職業じゃない?
・経験ないと無理やんな絶対
・中国語が好きっていってもこんな人その辺にいっぱいおるやん
・再就職したって給料めちゃ妥協せなあかんよな
・なんか全てが中途半端
・不妊治療の病院通わなあかん
・子どもできてないって目でみんなに見られる
・色々縁切れた人いっぱいおるな
・太ったしただのおばちゃん主婦になったって思うやろな
・家具家電代なんぼかかるんやろ(結婚と同時に帯同だったので帰国時に揃える必要あり)
・お金けっこうきつくなるな

(その他多数)

こうやって見ると「なんじゃそりゃ」みたいなものもありますが、このときは本当に全てが大きな泥の塊のような存在で、私の脳を支配していました。辛かったです。不安でした。この一言につきます。

カテゴリごとに整理する

不安を書き出したら、その不安って何に関するものなのかざっくり分けます。

私の不安カテゴリは大きく3つでした。

1、中国語翻訳者になりたい!といいつつ現実的に考えたら無謀に思えてきた
2、子どもができない(不妊治療を本格的にスタートさせるストレスと不安)
3、お金のこと(自分が収入ない現実に改めて気が付く、不妊治療代への恐怖など)

みなさんとは全然違う種類のものがあるかもしれません。また、みなさんには私が考えてもいなかったような要素があるかもしれません。

自分でカバーできるものとできないものに分ける

今回のこの作業、不安の全てを解決することが目的ではありません。不安に感じていることを分解することが目的です。

分解した不安の中で、自分の努力で少しでも状況が変わることに目を向けましょう。

私の場合は中国語翻訳に関することです。

足りないものを一気に感じて不安になってしまいがちですが、その中でもなんとか自分で補えそうな要素を考えてみましょう。

そして、具体的にどういった方法で解決できるか(独学でやるのか、プロの手を借りるのか、お金との相談も)書き出してみましょう。

一方で。分解した先に自分ではどうしようもないことが出てきます。それは、どうしようもないです。考えたところで解決できません。自分の努力ではどうしようもないことはあります。

私の場合は「結局、帰国まで子どもを授かることはなかった」「これからできるかも不安」です。

色々思うところはありましたが、ここ、自分の努力ではどうしようもありません。ここに関しては、「できることはする。あとは考えない」ぐらいがちょうどよいです。

不安になるな、考えるな、とは言いません。実のところ私だってネットで色々見てしまったりします。しかし、人間、自分が持っているエネルギーは限られています。順番的にはまず先に「自分の力で結果が変わる方」にエネルギーを注ぎましょう。

取り組む内容をスケジュールに落とし込む

実際に「こうすればできるかも」と思ったものをスケジュールに落とし込んでみてください。

やろうとしていることにかかる期間はどのぐらいなのか、もしわからなければ情報をさぐってみてください。

ネットで情報を検索するのもよいですし、それでもわからない部分があれば、実際にやっている人に質問してみたりしてヒントを見つけてみてください。

やることが明確になってくると、不思議なもので不安って消えていくのです。「こりゃ大変だぞ、やること満載だ」という意味で「焦ってきたぞ!」と自分に発破をかけることはあるかもしれませんが、漠然と不安に押しつぶされるということはなくなります。

でも、ここまで持ってくるのって、自分の手を動かして不安を紐解いていかないとなかなか難しいです。

大きな不安に襲われたときって、それが何なのか、どうすればよいのかわからなくてパニックになってしまいます。そして沈んでいってしまいます。

しかし、ひとつひとつ分解してやれば、正体もわかりますし、対処法も見えてくるのです。

対処法がなかったとしても、「対処法がない」という答えが見えるので、それはある種の解決になります。

ぜひ一度、時間をつくって試してみてくださいね。

急に不安になったあなたにお伝えしたいこと

不安は自分へのメッセージ

人間の脳は非常に賢いです。

帰国後の仕事、再就職に関して不安を感じるということは、つまり「やらなければいけないことがある」「現時点で足りないことがある」とわかっているのです。

「目を伏せたい」「正直面倒だ」「大変だ」「できるか不安だ」

これらから目を背けようとしても、不安という信号でちゃんとアラームを出してくれているのです。

自分の脳はわかっているのです。

不安の処理は後回しにしない

不安を感じたとき、何か少しでも行動を起こさないとその不安は無くなりません。

飲みに行って現実逃避する。思いっきり泣いてすっきりする。もう何も考えない。

このような方法は、不安や心配事を抱えているときに有効な行動です。

しかし、今回は逆効果です。

なぜでしょうか?

帰国に対する不安って、「絶対にやってくる現実」に対するものなので、「考え方によっては小さなことになる」というタイプのものではないのです。

そしてもう1つお伝えしたいこと。

本帰国という大きな変化は時間的要素がからむ(あと〇カ月、あと〇週間など)ので、それがカウントダウンという形式で徐々に迫ってくる恐怖があります。

これ、不安に蓋をしていると徐々に迫ってくるXデーに押しつぶされそうになります。不安は小さいうちに片づけておくにこしたことはないです。

不安を感じる人、感じない人

帰国後の自分をイメージして何かに向かって走り続けてきた人。試行錯誤を繰り返しながらも自分なりに準備をしてきた人。

実は、ちゃんと準備してきた人ほど不安を感じる傾向にあります。逆に、(言い方は悪いですが)何にも考えずに過ごしてきた人はこの種の不安はほぼ感じません。

この差って何かわかりますか?

何も準備してきていない人って、「その時点の自分」に標準を合わせようとするのです。

わかりやすく言うと、「今の自分でできる範囲のこと」に自分がストンと着地できるところを見つけ、そこに降り立とうという思考になるのです。

逆に不安になっている人はというと、

「こうありたい」という理想、自分のイメージがあるからこそ、そこまでの「距離」を感じてしまって不安に感じるのです。

そうです。その人の基準は「今、それができるか否か」ではなく、「私はこうありたい」というもう1人の自分なのです。

不安真っただ中だと自分ではなかなか気が付かないですが、実はこれ、非常に素晴らしいことです。私は絶対にこうあるべきだと思います。

逆にこの「距離」を感じない人はそこから先は何もないです。そこで終わりです。

なので、みなさんにお伝えしたいこと、それは、

「不安を感じたらその先に見えない道が続いているということ」

です。

上に書いた「紙に書き出してみる」という作業は、その「見えない道」を自分で可視化するという作業です。

そこには確かにあるのです。でも、何かアクションを起こしてやらないと、浮かび上がってこないのです。

昔の写真現像のように。一見何も写っていないようなネガを液体に浸けると、ゆっくり浮かび上がってきますよね。それと同じです。

そして一回浮かび上がってきたものは、もう消えることはありません。 だから、一度だけ自分の手で浮かび上がらせるのです。不安を感じるということは、もうすぐそこにヒントが隠れているのです。

私の経験

本帰国が決まったこと、最初に聞くのは駐在員である夫の口からですよね。

会社によっては異動の時期が決まっていて、「次の4月には」となんとなくわかっているパターンもあります。

帯同生活が嫌で嫌でたまらない場合、「やったー!やっと帰れる!」とハッピーなお知らせになりますが、そうでない場合は漠然とした不安に襲われる人がほとんどだと思います。

特に、帰国後また働きたいと思って準備してきた人にとっては、「もういつでも再就職できるよ!」という状況になるにも関わらず、喜ぶどころかめちゃくちゃ不安に感じるのはなぜでしょうか。

私の場合、4月1日付で夫が帰任するということがなんとなくわかったのが前年の11月頃。正式に決まったのが約3カ月前の1月初旬でした。

仕事を辞めて上海に来て、働いていないことに罪悪感を感じつつも、自分なりに準備をしてきました。

「また仕事を手にできるのかな」という思いを抱えながら、自分なりに一生懸命やってきたつもりでした。

なので正直に書くと、「私はちゃんと準備もしてきたし、時間をかけて色々なことにチャレンジしてきたから、不安になることなんてない」と思っていました。

しかし……

「これだけ考えてきた」といえるはずなのに、本帰国が決まった瞬間「ズドーン!」と音を立てたような不安の塊が上から降ってきました。そして、みごとに押しつぶされ、その日の夜は怖くて怖くて、久しぶりに泣いたのを憶えています。

けれど、何でこんなにも不安を感じるのか、何が怖いのか、わからないまま押しつぶされていました。

私が自分の不安を紐解いてみた結果、冒頭にも書いたように、一番大きな理由はやはり「仕事をする」ということに対してでした。

わかりやすく言うと、「働かないのじゃなくて、働けないの」というある種の守られた世界から抜け出し、いよいよ現実世界に戻るときがきた、ということを受け入れるのが怖かったのです。

働けなくて辛い!私だって働きたいけどビザの関係でそれができないの!と色々な人に言っていましたが、実はこの立ち位置に居心地の良さを感じていたという現実。結局は私もそういう人間だっということ。それに気が付きましたね……。

でも、もうその鎧は使えない。生身の私で勝負せざるを得ない日が突然カウントダウンとともに迫ってきたのです。

人間、弱いものです。なんて言うと「一緒にするな!」と怒られるかもしれませんね。「私、弱い人間でした」と訂正しておきます……。

上海に来たときは「志を高く持って!」「この気持ちを忘れない!」なんて思ってきましたが、やっぱり時が経つと自分の立ち位置に慣れてきてしまうというか、ある種の既得権のようなものができあがるのですね。そういうものです。

ただ、そんな私でも逃げずに不安と向き合えば、結果的に対処することができました。

なので、今不安を感じている方がいても、「大丈夫ですよ」とお伝えしたいです。

大事なのは、自分の不安と上手に付き合って、ゆっくりでよいのでその不安を料理してあげることです。

大丈夫ですよ。もう忘れていると思いますが、帯同で新しい土地に身を置くことを決断したとき、それはそれは大きな不安があったと思います。それを乗り越えて今ここで自分の居場所をつくっている素晴らしい方なのですから。この不安もきっと道標に変えることができます。

まとめ:もつべきマインドととるべき行動

~もつべきマインド~

  • 不安は自分へのシグナル
  • 不安はその先に隠れている道を浮かび上がらせるチャンス
  • 今までの帯同生活を乗り越えられたのだから大丈夫

~とるべき行動~

  • 本帰国決定後、不安が襲ってきても焦らない
  • とにかく書き出して可視化する
  • 自分の力で変わるものにエネルギーを注ぐ

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。次回は、今回分析した不安とそこからのヒントを軸に、より具体的な「未来図」を描く方法をシェアします。私はこのときに描いた未来図を今でも部屋の壁に貼っています。事実、これに何度も救われました。

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【12】未来図を描く

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駐在妻が帰国後の仕事に困らないためにすべき15の行動

【プロローグ】駐在妻に立ちはだかる2つの大きな壁
【筆者について】私が退職を決意した理由

<退職前~出国まで>
【1】夫に「海外勤務になる」と言われたらまずやること
【2】退職直後に帯同 失業保険は「捨て」になるの?
【3】退職後に支払う住民税を計算しておく

<帯同開始~本帰国確定まで>
【4】定期的に行く場所を「ひとつ」つくる
【5】同じ感覚を持つ友達は1人だけで十分
【6】できる駐在妻の賢いお付き合い方法
【7】現地での語学学習を本気でお勧めするこれだけの理由
【8】この国でしか味わえない気分転換スポットを見つける
【9】できるだけ「国内旅行」をする理由
【10】自分が進化していることを実感できるようにする
【11】本帰国が決まったときの不安の構造を理解する

<本帰国後>
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