駐在妻が帰国後の仕事に困らないためにすべき17の行動【15】知らないと損!失業保険の給付制限は短縮できる

みなさん、こんにちは。Kaoです。

今日のテーマはこちら:

知らないと損!失業保険の給付制限は短縮できる

駐在妻として帯同するときに退職したという方は多いです。私もそうでした。

退職と同時に失業保険(正式名称:雇用保険)の手続きをするのが一般的ですが、日本を離れる場合など特殊な事情がある場合は受給期限を延長することができるということを過去のブログでお伝えしました。

※駐在妻の雇用保険手続きについては→【2】退職直後に帯同 失業保険は「捨て」になるの?をご覧ください

今回は帰国後の手続きについて、駐在妻がすべきことをお伝えします。

給付制限ってなに?

突然ですが、「給付制限」って知っていますか?

雇用保険を受給する場合、申請してすぐに受給開始(お金をもらえる)となるわけではありません。通常は「給付制限期間」というものがあります。期間は約3カ月間。

支給開始と受給期間について:大阪労働局WEBサイトより

つまり、いわゆる「失業手当」でお金をもらうための申請をハローワークで行っても、3カ月間「待ち」の時間があるということです。

しかし!

実は、海外に帯同していた駐在妻が帰国して雇用保険を受給する場合、この「給付制限」を短縮することができます。

結果、申請から受給までの期間が短くなることで手元にお金が早く入ることになります。これは心強いですよね。

どういった仕組みでそうなるのか、ハローワークでどのように説明すればよいかを具体的に解説していきます。

そもそも給付制限って何のためにあるの?

そもそもこの「給付制限」、どういった理由で設けられているのでしょうか?

雇用保険は、「失業」した人に対して生活の保障と再就職の援助を行うための制度です。

「雇用保険=退職したらとりあえずはもらえるお金」のようなイメージがありますが、そうではなく、

「退職はあくまで自己都合で生じた結果。でも、長期的に生活に困る場合は雇用保険で援助しますよ」

という政府のサービスです。

なので、この「長期的に生活に困る=再就職できない状態が長期に及ぶ」という状況の設定が、いわゆる「3カ月経っても再就職できていない」ということなのです。

ですので、失業理由が自己都合でなく「解雇」の場合は、この給付制限がなくなります。

手続きから受給開始まではこのような流れになります。

<通常>
ハローワークにて離職票や必要書類の提出:0日目
待機期間:7日間 →ここは全員共通です(本当に失業状態にあるか確認する期間)
給付制限:3カ月
受給開始:受給期間は勤続年数によって異なる

<私の実例>
ハローワークにて離職票や必要書類の提出:0日目
待機期間:7日間
給付制限:3カ月→短縮
受給開始:受給期間6カ月 →約11年勤続した私の場合

◆注意◆
雇用保険の受給手続き、その後の「月1回訪問」は住民票がある自治体のハローワークで行います。帯同前の都道府県に住民票がある場合は、帰国後の居住地に住民票を移してから、その自治体にあるハローワークに行って手続きを行いましょう。

特定理由離職者について

給付制限の3カ月を「短縮」してもらうには、自分でその旨を伝える必要があります。何も言わないと、ハローワーク側からは「通常手続き」として扱われます。

必ず自分から申し出てください。

「でも、何と言ったらいいの?」

と思いますよね。

給付制限を短縮してもらうために、「特定理由離職者に該当しますので、給付制限はなしでお願いします」と伝えてください。

実はこの「特定理由離職者」ってあまり知られていないです。「海外に帯同していた人は給付制限がなくなる」となんとなく聞いたことがある人は多いのですが、その理由が何か明確に理解している人はほとんどいません。となると、うまく説明もできず、「通常の期間」で給付スケジュールが組まれてしまう場合があります。

特定理由離職者については、厚生労働省のWEBページにしっかりと明記されています。

特定理由離職者の範囲
Ⅰ 期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がな
いことにより離職した者(その者が当該更新を希望したにもかかわらず、当該
更新についての合意が成立するに至らなかった場合に限る。)(上記「特定受
給資格者の範囲」のⅡの⑦又は⑧に該当する場合を除く。)(※)
(※)労働契約において、契約更新条項が「契約を更新する場合がある」とされている場合など、契約の更
新について明示はあるが契約更新の確約まではない場合がこの基準に該当します。
Ⅱ 以下の正当な理由のある自己都合により離職した者(※)
① 体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力の減退、聴力の減退、触覚の減退等により離職した者
② 妊娠、出産、育児等により離職し、雇用保険法第 20 条第 1 項の受給期間延長措置を受けた者
③ 父若しくは母の死亡、疾病、負傷等のため、父若しくは母を扶養するために離職を余儀なくされた場合
又は常時本人の看護を必要とする親族の疾病、負傷等のために離職を余儀なくされた場合のように、家庭
の事情が急変したことにより離職した者
④ 配偶者又は扶養すべき親族と別居生活を続けることが困難となったことにより離職した者
⑤ 次の理由により、通勤不可能又は困難となったことにより離職した者
ⅰ) 結婚に伴う住所の変更
ⅱ) 育児に伴う保育所その他これに準ずる施設の利用又は親族等への保育の依頼
ⅲ) 事業所の通勤困難な地への移転
ⅳ) 自己の意思に反しての住所又は居所の移転を余儀なくされたこと
ⅴ) 鉄道、軌道、バスその他運輸機関の廃止又は運行時間の変更等
ⅵ) 事業主の命による転勤又は出向に伴う別居の回避
ⅶ) 配偶者の事業主の命による転勤若しくは出向又は配偶者の再就職に伴う別居の回避
⑥ その他、上記「特定受給資格者の範囲」のⅡの⑩に該当しない企業整備による人員整理等で希望退職者
の募集に応じて離職した者等
(※)給付制限を行う場合の「正当な理由」に係る認定基準と同様に判断されます。

厚生労働省WEBページ「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準」から引用

いわゆる駐在妻は、この理由の中で

ⅶ) 配偶者の事業主の命による転勤若しくは出向又は配偶者の再就職に伴う別居の回避

に該当します。

また、私は結婚と同時に帯同になったので、

ⅰ) 結婚に伴う住所の変更

にも該当しました。

これをしっかりとハローワークで伝えてください。

ちなみに、証明が必要な場合もあります。私は入国スタンプがあるパスポートを提示しました。

たったこれだけで、給付制限の3カ月が短縮になり、雇用保険の受給がぐっと早まります。

給付制限が短縮になる大きなメリット~時間の価値~

給付期限が短縮になる大きなメリットは2点あります。2点とも時間の価値がダイレクトに反映されています。

まずは、シンプルに。

  • お金が手元に入ってくる日が前倒しで訪れる

これによって、再就職にかかるアクションを即座に起こすことができます。面接のために遠方へ行ったり、また転職のために必要な資格取得に活用したり。お金があると再就職のための「自分への投資」が可能になります。「投資」のタイミングは早いにこしたことはありません。

  • 受給終了日も前倒しになる

雇用保険の受給中に再就職が決まると、当たり前ですが受給はストップになります。なので、さまざまな理由から、「すべての期間分、受給し終わるまで就職しないもん」と考えている方、実は少なくありません。(というか、むしろ多いです)

この考え方がよいか悪いかはここでは一旦置いておいて、

「満額受給してから就職するの!それまではゆっくりしたいの!」

という方、受給期間トータルは変わらなくても、再就職や転職活動は早くできる方がよいですよね。転職活動には年齢も大きく関わってきますから。

仮に、雇用保険をすべての期間分、受給したとしても、「心置きなく」再就職できる「解禁日」が早くやってきます。受給金額が同じであれば、さっさともらって、大いに活用して、さっさと再就職した方がよいですよね。

雇用保険受給期間の過ごし方:私の場合

結論を先にお伝えします。

お金はやっぱり精神的余裕を生みます。心理面に加え、生活面もかなり助かります。

私が具体的に助かったことをいくつかシェアします。

結果的に私は再就職をせずに、フリーランスという道を選びました。実のところ、フリーランスというスタイルに挑戦したいという気持ちは帰国前からかなり大きくなっていましたが、一方で「全てを決めつけず、一度フラットな視点で日本の労働市場を見てみたい」とも思っていました。

なんせ2年半ぶりに日本で生活しますから。世の中は変わっています。情報収集も含めて各方面に自分から接点を持ち、自身の方向性を確かめる意味でも「一定期間は」再就職も排除せずに動いてみようと決めていました。

帰国後すぐに雇用保険の受給手続きをし、受給を開始しました。

そして、受給開始後はそのお金を使って転職セミナーに参加したり、転職エージェントに市場情報をヒアリングしにいったりしていました。実際に応募した企業もいくつかあります。転職エージェントが紹介してくれた企業もありましたが、条件が折り合わずに泣く泣くお断りしたケースも。

また、同時並行で、中国語翻訳のセミナー(専門性の高いもの)にいくつか参加したり、翻訳関連の検定試験を受験したりしていました。

セミナーや検定試験、往復交通費などなど…… 意外とお金がかかります。これら全て雇用保険から出していました。本当にありがたかったです。

そして、オフィシャルな場(面談やセミナー)で人と会うときに着るジャケットも、安いものですが新調しました。色々焦って動いている時期で心理的にも忙しかったですが、気分転換に美味しいランチを食べたり、カフェで勉強したり、そのようなことも「金銭的な窮屈」に陥ることなくできました。複数の書籍も含め、自分への投資にもしっかりと活用しました。

これらすべて、家庭のお金には一切手を出さずに進めていました。誰にも遠慮せず、迷惑もかけずに自分の判断で使えるお金は本当にありがたいですし、精神的な余裕を生みます。

「お金」と「時間」、本当に大事です。帰国後に新しい仕事で道を切り開こうとしている方は、まず第一歩として雇用保険を大いに活用してみてください。

もちろん、手続きの際には「給付制限の短縮」をお忘れなく!

まとめ:もつべきマインドととるべき行動

~もつべきマインド~

  • 自分の判断で使えるお金は行動の幅を広げる
  • 労働市場に戻る時期を早めるためにできることをする
  • 自分に投資をする(前倒しを心がける)

~とるべき行動~

  • 帰国後はすぐにハローワークに手続きに行く
  • 「特定理由離職者」であることを伝えて給付制限を短縮する
  • 雇用保険受給期間をぼんやり過ごさないよう予めスケジュール立てておく

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。次回も引き続き、本帰国後に関することをシェアします。

日本に帰ると「久しぶり」とばかりに色々な人と会うことになります。お世話になった人やかつての仲間と再会するのは嬉しいことですが、一点だけ注意が必要です。

駐在妻は帰国後、ある意味で絶対に避けては通れない「ギャップ」を乗り越えていく必要がありますが、一歩間違えると大きな自信喪失につながってしまいます。そうならないための少しの工夫を、私の実体験とともにシェアします。

ではまた次回お会いしましょう!

<次回>駐在妻が帰国後の仕事に困らないためにすべき17の行動
【16】再会ラッシュに待った!集団ではなく「個」で時間をつくるべき理由

各ページへのリンク

駐在妻が帰国後の仕事に困らないためにすべき17の行動

【プロローグ】駐在妻に立ちはだかる2つの大きな壁
【筆者について】私が退職を決意した理由

<退職前~出国まで>
【1】夫に「海外勤務になる」と言われたらまずやること
【2】退職直後に帯同 失業保険は「捨て」になるの?
【3】退職後に支払う住民税を計算しておく

<帯同開始~本帰国確定まで>
【4】定期的に行く場所を「ひとつ」つくる
【5】Excel、PowerPointを無駄に使う
【6】ブログを始める
【7】同じ感覚を持つ友達は1人だけで十分
【8】できる駐在妻の賢いお付き合い方法
【9】現地での語学学習を本気でお勧めするこれだけの理由
【10】この国でしか味わえない気分転換スポットを見つける
【11】できるだけ「国内旅行」をする理由
【12】自分が進化していることを実感できるようにする
【13】本帰国が決まったときの不安の構造を理解する
【14】未来図を描く

<本帰国後>
【15】知らないと損!失業保険の給付制限は短縮できる
【16】再会ラッシュに待った!集団ではなく「個」で時間をつくるべき理由