みなさん、こんにちは。Kaoです。
今回のテーマはこちら:
再会ラッシュに待った!集団ではなく「個」で時間をつくるべき理由
今回の記事は、本帰国の引っ越し・片付けも落ち着いて、少し時間に余裕ができたかなという方に読んでいただきたい内容です。
この記事を読むことで、本来は感じる必要のない「孤独感」をかなり減らすことができます。日本に帰国すると、ある意味での「現実」が待ち構えていますから、それにうまく対処することが必要です。
これは、経験してみないとわからないことなので、今回は私の実体験をもとに「これだけはお伝えしたい」ということを書いています。
目次
再会ラッシュの前にお伝えしたいこと

ベストは一対一
帰国後、少し落ち着いた頃にやってくるのが「再会ラッシュ」です。特に、帯同する前に住んでいた土地と同じ場所に戻ってきた方は、友人や元同僚もたくさんいて「久々にご飯でも」「飲みに行こうよ」と声をかけてもらえることが多いです。
結論を先にお伝えすると、日本で友人・元同僚と「再会」するときは、集団ではなく「個」で会うことを強くお勧めします。
ベストは一対一です。
とはいえ、お誘いをいただく側としてはなかなか自分でコントロールしにくい部分。「みんな会いたがっているよ」「○○も一緒に誘おうか?」なんて、ありがたい言葉をかけてもらえることもあるのですが……
「みんなで予定を合わせてもらうと調整大変だと思うから、先にうちらで会わない?」
「船便がまだでまともな服がないから、先に二人でご飯いこうよ」
などなど適当に理由をつけてできるだけ少人数で会う方が、あなたにとってはよいです。
なぜでしょうか?
もちろん、複数の人と同時に「再会」できることは嬉しいことですし、久々に色々な話をして勇気づけられたり、「日本に帰ってきてよかった!」と思えることもあります。
「しばらく会っていなかったけど、この人はこんなことをして過ごしていたのか」
「こんなことを頑張っていたのか」
「久々に話せて嬉しいなぁ」
日本を離れている間の話を聞いて参考になることも多いですし、近況報告を聞いて「私も頑張ろう」と励まされることもあります。これはとても大きな原動力になりますし、あなたの人望でもあります。
しかし、これは一対複数という場ではなく一対一で会ったとしても、十分に教授できる「メリット」なのです。一対複数でないと感じられないことではありません。
一対複数のデメリットとは?
もう少し違った角度から見てみましょう。
複数の人と同時に再会する「デメリット」とは何なのでしょうか?一対一で再会するのと何が違うのでしょうか?
複数の人数で再会すると、たしかにその場は盛り上がりますし楽しいのですが、自分との関係に「私」と「私以外のその人たち」という明確なくくりができてしまいます。
だいたいこのような場は、元上司や元同期を含めた「元同僚」か、いつも同じグループで遊んでいた「同性の友人」が再会相手となります。
もちろん、そんな存在が大切なのは言うまでもありません。
しかし、このような場合、「私以外のその人たち」は、私が日本を離れる前の立場からほとんど変わることはありません。
具体的には、皆仕事は続けているし、変わらず「仲間」だし、同じ目線で同じ経験をしてきています。
こういうときに何を感じるかというと、
あ、「みんな」仕事しているんだ
ここにいる「みんな」は充実した日々を送っていたんだ
「私だけ」何もしていなかったんだ
という、ちょっとした違和感に気が付いてしまいます。
ここで怖いのが、「みんな」の方が「当たり前の基準」になってしまうところです。勇気を持って自分で決断して、帯同という道を選んで、現地でも色々なことを経験した――それはまぎれもなく特別なことなのに、「みんな」を目の前にすると、その人たちが「標準」であり「あるべき姿」になんとなく感じてしまいます。数の威力って想像しているよりもすごいです。
「個」と「個」で接点を持って再会すると、互いの話をフェアに聞く環境が生まれますが、複数だとどうしても「自分」と「自分以外の大多数」になってしまいます。
その「大多数」がデフォルトのように感じてしまい、そこに全く足りていない自分がかなり辛くなります。
元同僚で、皆ずっと変わらず仕事をしている人たちが相手だとなおさらです。
もちろん、相手には何の悪気もありません。これは事実です。
でも、なぜか心の中は想像しているよりも大きなダメージを受けます。なぜなのでしょうか。
比較しているものは「みんな」?それとも……

辛いと感じるのは「比較」をしているから
例えば「元同僚」というくくりで複数人と飲みに行ったとしましょう。久しぶりの再会で嬉しい気持ちでいっぱいです。
しかし、色々な話をしていると、なぜか自分だけが「違う人種」のように思え、ほんの少しの孤独感が芽生えてきます。
心の中から「なぜだか辛いな」という小さな声が聞こえてきます。
その場では感じなくても、帰りの電車の中や、帰宅後に家でふと感じたりします。
人が誰かと会った後に「辛い」と感じるのは、「比較」しているから。
知らず知らずに自分と比べてしまっていて、自分の方が劣っていると思っているからなのです。
元同僚たちと再会して辛いのは今の自分(仕事もなにもしていない。1円も稼いでいない。ただの専業主婦)と、現役でずっとバリバリ走り続けてきた同僚とを比較しているからです。
でも、それだけでこんなにも辛くなるでしょうか?元同僚だってこの数年がんばってきたわけですし、今でも活躍しているのは嬉しいことでもあります。
過去の自分を数年ぶりに思い出す恐怖
実はもうひとつ、比べてしまっている「大きなこと」があります。
それは、
過去の自分です。
過去、何年もずっと一緒に走り続けてきた仲間たちを見て、過去の自分を思い出しているのです。
「私もこんなだったな」
「あのときは充実していたな」
「今の私は何もない」
「もし仕事を続けていたら私もあっち側に……」
知らず知らずのうちに人と比較してしまったときに感じる何とも言えない気持ち、正直、気分のよいものではありません。自分の小ささにも嫌になるときが皆さんあると思います。
しかし、過去の自分と比較するって、他人と比較するよりも辛い部分があります。なぜなら、そこに「後悔」の要素が見え隠れするからです。この気持ち、感じてみるとけっこう辛いです。みなさんには感じてもらいたくないです。
でも、人間、比べてしまうものです。「他人と比較するな」ということはよく聞きますが、これって案外、難しいときもあります。誰もが強靭なマインドを持っているわけではありませんし、「私はいつでも前向き!」なんていう人の方が少ないと思います。私も含め、弱い人間です。
だからこそ、再会するときは「自分」対「自分以外の多数」をつくらないことをおすすめします。知らず知らずに比較してしまう環境、過去の自分を(悪い意味で)フラッシュバックしてしまう環境を意図してつくらないというのは、必要なことだとお伝えしたいです。
なので、結論をもう一度言うと、
- 再会は嬉しいこと
- 一対複数ではなく、「個」で会うことを強くおすすめ
です。
もちろん、元同僚や友人はかけがえのない存在です。新しい気付きを与えてくれますし、勇気づけられることもあります。ただ、それは一対一で会話しても十分に得られることだということも事実です。
私の実体験

夫が本帰国の辞令を受けたときに配属になった事業所は東京。私が2年半前まで生活していた場所でした。
大変ありがたいことに、「日本に戻ってきたのなら久々に飲みにいこうよ!」と声をかけていただき、元同僚と5人で飲みにいきました。当時お世話になっていた上司や先輩がまだまだ東京に残っていました。(転勤族なので何人かはすでに東京を離れていました)
久しぶりに会えて色々な話をして、とても楽しい時間でした。とても楽しい時間だったはずなのですが……
翌週、私の地元である関西に帰省することになりました。最後に働いていた場所は東京ですが、大阪支店にも勤務経験があり、そのときにお世話になった元上司に「帰国して実家に帰省するときがあったら教えてね」と声をかけていただきました。
そして、大阪でも元同僚6人と飲みにいきました。やっぱり古巣(もう巣立ってだいぶ経っていますが……)という何とも感慨深い気持ちになり、こうやって美味しいお酒を飲める相手がいるというのはありがたいなと温かい気持ちになりました。なったのですが……
楽しい時間を過ごした後、自分でも不思議な何とも言えない辛さを感じました。
なんだか、一気に「元の世界」に戻ってきた人間が、どう頑張ってもその世界に入れてもらえない、入れない、そんな気持ちになりました。
ストレートに書くと、
「自分だけが取り残されていて、もう二度とそこに戻ることができない」というある種の恐怖感を感じました。
そして、中国に帯同している間はそんなこと1ミリも思わなかったのに、今になって突然、予期せぬ恐怖が襲ってきて、なんとも言えない真っ暗な世界に追いやられた感じがしました。
不思議だったのは、同じような「もともと同じ会社で働いていた立場の人」と「個」で会ったときは、この気持ちを感じなかったこと。
当時、同じ時期に、元同僚や友人を含め、たまたま時間が会わずに別の日に一対一で再会した人が3人ほどいました。
「個」で再会したときも元いた職場、今でも(相手は)継続している仕事の話になったのですが、孤独感を感じることはありませんでした。
むしろ、より相手の話に耳を傾け、「もっと聞かせてほしいな」と感じるほどでした。もちろん、私の話をしました。「これからこんなことに挑戦しようと思っているの」と、夢や目標を堂々と語れる自分がいました。
一対複数で再会した相手には、なぜだかその「勇気」が出なかった……。これが正直なところです。圧倒されたのですね。「自分以外のみんな」に。なんて弱い人間なんだと自分が嫌になりましたが、ある意味これも乗り越えていかないといけない壁です。
どうしたらうまく乗り越えられるかを考えることはもちろん大事。けれども、そもそもそういった「乗り越えなければいけない壁」をつくらないということも、賢い方法なのです。
無駄な孤独感、恐怖感は感じる必要はないです。自分から「減らす」動きを意識しましょう。
同じ気持ちを感じてしまったあなたにお伝えしたいこと

その孤独感、実はそもそも感じる必要のないもの
人間、反省は必要です。自分とは違う立場の人の話を聞いて、「気付き」を得ることから学びが始まります。そのときに自分と向き合うことで、辛い気持ちになるときがあります。しかし、これは「必要な辛さ」です。それがプラスになって原動力へと変わっていきます。
「無駄な孤独感、恐怖感」とは、本来感じる必要のないもやもやのことです。
そもそも、この「もやもや」を生み出している原因が、「人と比較する・過去の自分と比較する」という、全く必要のない行為から生み出されているということです。
駐在妻を経験したあなたは、そもそも人とは大きく違った経験をしています。普通の人がぶつかることのない「判断」をせまられ、自分の頭で懸命に考え、日常生活の場を海外に移しました。
現地で見たもの・聞いたもの、あなた自身が味わったものはすべてあなたの中に刻まれ、誰にも奪われることのない「経験」になっています。しかもそれが「数カ月程度の留学」ではなく、年単位でのこと。
普通の人が簡単に触れることのできない世界に触れてきて、新しい価値観、新しいスキルも見についています。自分では当たり前になっていて、そんなふうに感じなくなっているだけです。
人が簡単に身を置くことができない場所で、人とは違うものを得ているあなた。
だからはっきりとお伝えしたいです。
年単位で人と違うことをしてきたのだから、人と比べる必要なんて全くもってないのです。
もう生きている世界が違うのです。どちらが上か下か、良いか悪いかという話ではありません。それぞれが全く別のステージに立っているということです。生きている世界が別なのです。それだけ、駐在妻の経験って貴重であり、1000人いると999人が経験できないことなのです。
だから、比べるなんてナンセンスです。なんの意味もありません。自分に自身を持つべきです。
本当の意味で「人とは違う」という素晴らしさに気がつくべきなのです。
しかし、自分以外の「999人」を目の当たりにするとどうしても数の圧倒に押し倒されてしまいます。そして、自分が(悪い意味での)圧倒的少数派に感じてしまうということが起こってしまいます。
本来、人は誰もが孤独です。なので、そう感じる状況をつくらなければよいだけなのです。
それが今回お伝えした「個」で再会する重要な意味なのです。
まとめ:もつべきマインドととるべき行動
~もつべきマインド~
- 再会は「個」でも十分に楽しい時間になる
- 元駐在妻はそもそも人と違って当たり前だしそれが強み
- 帰国後のお誘いがありがたいことは忘れない
~とるべき行動~
- 一対複数ではなく、一対一で再会の場を設定する
- 「人と比べない」は難しいので、「比べてしまう環境」をつくらない
- 「個」で再会したときに得た新しい気付きは、素直に受け入れる
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。次回はいよいよ最終回になります。
再就職するにしても、新しい働き方を始めるにしても、まずは「最初の大きな一歩」を踏み出すことが必要です。しかし、自分では見えない部分でとあるものが邪魔をします。必ずといってよいほど……。それに対処する準備方法・乗り越え方を、実体験をまじえてシェアします。 ではまた次回お会いしましょう!
<次回>駐在妻が帰国後の仕事に困らないためにすべき17の行動
【17】プライドを捨て切る
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駐在妻が帰国後の仕事に困らないためにすべき17の行動
【プロローグ】駐在妻に立ちはだかる2つの大きな壁
【筆者について】私が退職を決意した理由
<退職前~出国まで>
【1】夫に「海外勤務になる」と言われたらまずやること
【2】退職直後に帯同 失業保険は「捨て」になるの?
【3】退職後に支払う住民税を計算しておく
<帯同開始~本帰国確定まで>
【4】定期的に行く場所を「ひとつ」つくる
【5】Excel、PowerPointを無駄に使う
【6】ブログを始める
【7】同じ感覚を持つ友達は1人だけで十分
【8】できる駐在妻の賢いお付き合い方法
【9】現地での語学学習を本気でお勧めするこれだけの理由
【10】この国でしか味わえない気分転換スポットを見つける
【11】できるだけ「国内旅行」をする理由
【12】自分が進化していることを実感できるようにする
【13】本帰国が決まったときの不安の構造を理解する
【14】未来図を描く
<本帰国後>
【15】知らないと損!失業保険の給付制限は短縮できる
【16】再会ラッシュに待った!集団ではなく「個」で時間をつくるべき理由
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