中国で開催【世界インターネット大会】北京発3Dプリンタが最優秀技術として優勝

昨日、夕食を作りながら中国ニュースを聞いていたところ気になるニュースが飛び込んできた。

「優勝は、北京清锋时代3Dプリンタ!」

簡単に説明するとこうだ。

10月20日から22日まで、世界インターネット大会が中国浙江省烏鎮(ウチン)で開催されていた。昨日が最終日だった。

その中で「世界インターネット・コンクール」が開催されていて、決勝戦後の結果が発表されたのだ。要は、中国内外の企業が自社の最新テクノロジーを持ち寄って、競い合うというコンクール。

その優勝が、北京の清锋时代という企業が開発した3Dプリンタとプリント技術だったというわけだ。

【企業WEBサイト】北京清锋时代科技有限公司(英語名:LuxCreo)

このニュースが流れたとき、一瞬だけ耳がダンボになった。

理由は2つ。

1つは、「お得意のドローン系や自動運転、通信系じゃないんだ」という点。

もう1つは「なんか聞いたことあったけなこの企業」だ。

前者に関しては、恐らく対外的なアピールもあるだろう。世界の3Dプリンタメーカーの時価総額ランキングでは、中国はトップ10に入っていない。(ほとんどがアメリカで、あとヨーロッパ企業がちょこちょこ)

出典:36Kr中国

今回の技術は、中国国内では初めて「全て自前で」開発に成功したものだという。

世界が注目するこの大イベントで、「中国の3Dプリンタ、これから攻めまっせ」の宣戦布告と思ったのは私だけ?

後者に関しては、やはり以前に耳にしたことがあった。

読んだのはこれかな?

36氪首发 | 将3D打印速度提升百倍,「清锋时代3D-FAB」完成5000万元Pre-A轮融资【2018/7/18】

プリントスピードが100倍に!なんて書いてあって、印象に残っていた。

この企業、創業はなんと2016年。昨今の中国では決して珍しい現象ではないが、3年足らずで急成長。

こちらの記事は非常にわかりやすい。中国語だが、中国語が読めない人でも何をやっているかがすぐにわかる内容になっている。

36氪首发 | 将3D打印速度提升百倍,「 LuxCreo清锋时代」完成3000万美元B轮融资【2019/8/8】

記事の中から少しご紹介する。写真だけで何をやっているか一目瞭然だ。

出典:36Kr中国
出典:36Kr中国
出典:36Kr中国

そう。靴のソール部分を作っている。

顧客の足の形や歩行状態をデータ化し、人体工学に基づいた設計で最適なソールを3Dでプリントする。

おしゃれな工場(出典:36Kr中国)

3Dプリンタの市場は顕著に拡大している。しかし、日本ではまだまだ情報が少ないのが現状。

そんな中、3Dプリンタに関する情報がギュッとつまっているオススメのWEBサイトがある。それがこちら:佐藤あゆみさんが運営する「Ayumi Media」というサイト。

WEBサイトより:写真・実体験も豊富で理解しやすい!

他のサイトと圧倒的に違うところは、

①実体験に基づくレビューが多い点(写真も豊富)

②マシーンとしての3Dプリンタだけでなく、その可能性や世界の動きなど情報が多岐にわたる点

技術的な情報が多い高度な内容から、日々の生活の中での楽しみ方のような比較的ライトな内容まで載っているので、3Dプリンタに興味をもったらまずはこのサイトから入ると色々なハードルが下がるはず。

今は一家に一台プリンターがあるのは当たり前のこと。

でも、ひと昔前なんて、プリンターは会社にしかなかった。

今は3Dプリンタって「最新技術の最たる例!」みたいなポジションだが、あっという間に普及して学校の宿題も3Dプリンタで出してきてみたいな時代がやってくるのだろうか。

いや、きっと来るだろうな。

毎日の晩ご飯も3Dプリンタで作れないだろうか。あと箸も並べてくれて、食べ終わったらお皿も下げてくれて……

AIロボットも併用で買った方がいいな(笑)

余談だが、36氪(中国のベンチャー。メディア運営やシェアオフィス事業でも有名) が発信する記事は読みやすくて大好き。 今回参考にした中国ニュース記事も36氪のもの。「36KrJapan」として日本にも進出している。

今年から日経新聞が出資し、日経新聞系列メディアにも記事を掲載している。新興企業の情報や、アジアまわりの科学技術系の情報が豊富。

中国の3Dプリンタ、これからどうなるか楽しみだー!

なんていっている場合ではない。このニュースを耳にしたとき、記事を読む側ではなく書く側になる学習をスタートさせろという合図に聞こえ、昨日は少し胃が痛かったというのが本音。

今回取り上げた企業、中国特許検索サイトで検索したところ、17件の特許を見つけてしまっ 見つけることができた。

CNIPA検索結果

ざっと見た感じ、17件中16件は清锋时代の単体出願ではなく、宁波市石生科技有限公司と2社での出願になっている。

宁波市石生科技有限公司、調べると清锋时代の翌年(2017年)に設立していて、3Dプリンタに特化した事業(材料、設計、技術等と記載あり)を展開する企業。

さて、学習の合間に読んでいくとしましょうか。何事も小さく始める。けれど、早く始める。(もう十分遅いが……汗)

2 件のコメント

  • kaoさん

    今回の記事、内容はもちろんのこと、書き方、引き付け方までとても勉強になりました。
    頭にがつーんと衝撃をいただきました。
    そして、記事でご紹介いただきありがとうございます。
    もっと勉強しなくては、情報を貪欲に吸収していかなければと猛省しました。

    いつも良い刺激をありがとうございます!!

    • Ayumiさん

      記事読んでくださってありがとうございます!
      こちらこそ、Ayumiさんのブログを読むことで3Dプリンタが身近なものになっていたのだと思います。
      1年前だとこのニュース、きっとスルーでした(笑)自分でも気付かぬうちに小さな小さなフックができていたのだなと。Ayumiさんの記事に感謝です。これからも楽しみにしています!
      それにしても、靴のソールはなかなかよい目の付け所(←上から目線失礼!)人間の足は左右異なるので、言わば中国国内だけでも28億本の足があるわけですからね。

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