2018年11月15日、私はレバレッジ特許翻訳講座に申し込みました。1.5カ月はキャンペーン期間で、正式には2019年1月1日から2020年6月30日までの1年6カ月が私の受講期間です。そこに延長の6カ月をプラスして、全2年、私が「受講生」として全力で走ってきた期間です。
2年という期間。あっという間です。
2年後にどうなったのかを、赤裸々に語りたいと思います。
前提
参考までに、2年前(講座申し込み時点)の私はこんな感じでした。
- 中国から帰国して半年(夫に帯同して2年半、いわゆる駐妻をしていた。中国語はここからスタート)
- 語学力は中国でかなり底上げしてきた(つもり)。ただ、そこ止まり。
- 中国語関連の職業に就いた経験なし(前職は全く関係のない仕事)
- 翻訳はクラウドソーシングで単発案件を数件やっただけ(未経験すぎて情報もなにもなく、とにかく行動してみようと動いた。稼いだ金額は計3万円程度)
- 翻訳会社への登録経験なし
- 特許翻訳の経験もちろんなし
- 明細書は1件も読んだことなし
- Trados使ったことなし(一年発起で買ってはいたが、使い方知らない状態)
- 理系の知識ゼロ(を通り越して拒否反応。これまでずっとドドド文系人生)
補足事項として、プライベートを少しだけ。
- けっこう本格的な不妊治療をスタートしたところだったので、新たに勤めに出る(いわゆるどこかの会社に就職してフルタイムで働く)のは現実的に難しい。
- 講座代で自分の貯金が底をついたので、書籍代等の投資源としてアルバイトを開始(家から徒歩5分の飲食店。週3~4日)
自分の翻訳に関することは、さすがに家のお金から出すわけにはいきませんので。
2年後の到達点
1年経過時点、正式期間終了時点(1.5年経過時点)の内容は過去記事に細かく書いていますので、ここでは割愛します。最終地点のみシェアします。
~2年後 講座卒業日の私~
1、特許翻訳者としてお金を稼いでいるか?
特許翻訳者として、しっかりデビューしています。今年納品した案件は20件ほど。短いものから(私にとっては)そこそこ長いものまで。
現状としては、「明細書だけでバリバリやっている」というよりは、「明細書を中心として、特許(知財)に関する案件を幅広く請けている」という感じです。
案件としては以下のようなものを翻訳、納品しました。
・明細書(クレームだけのときもあれば、明細書1本のときも。最近は明細書1本が多い)
・中間処理の文書
・知財関連ニュース
・弁理士用の社内資料
・その他ちょろちょろ(特許と関係ないもの)
2、稼いた金額
私が講座を始めるとき、やはりここは気になる部分でした。リアルなお金の話。
なのでここは正直に書きます。8・9月頃から少しずつ案件をいただくようになり(2020年前半はまだまだ勉強&トライアル中心のフェーズでした)、月収は5万円~10万円をうろうろといった感じです。
今年稼いだ金額は約30万円。
このブログを読んでくださっている方の期待値と比較してどうか、その評価はおまかせしますが、これが現時点でのリアルな数字です。
「ウン百万円」なんて書けたらよかったかもしれませんが、それはこれから動いていけばよい話。まずは目の前のことをしっかりやって、掲げた目標に向かって行動を積み重ねていくのみです。
まだまだだな。そう思っているのは事実です。
一方で、去年は翻訳で収入を得ることすらかないませんでした。前職もまったく異なる職種であり、中国語を使ってお金を稼ぐということにゼロから挑戦して、つまり火起こしから始めて、コネなし見本なしでここまでこれたということはしっかりと自分を褒めたいと思います。
来年はさらに飛躍するぞ!
そのベースづくりはしっかりできたと思っています。
3、収入源のシフト
上にも書きましたが、講座と並行してアルバイトをしていました。勉強の時間を少しでも捻出したく、家から徒歩5分とゲキ近の喫茶店。週に3~4日ほど入っていました。改めてですが、アルバイトの目的は、
・翻訳学習に必要なもの(書籍・セミナー・ソフト代)の捻出
・運動(足を動かす立ち仕事を敢えて選びました)
・気分転換(やりだすとずっとやってしまうタイプなので、性格的にも「離れる時間」は強制的に作った方がよいと判断)
そして、アルバイト開始当初に決めていたこと。
「2年まで」
アルバイトは2年まで。最初にそう決めていました。理由は、微々たるものでも収入源があると危機感がなくなり、だんだん慣れてしまい、居心地がよくなってしまうため。
正直、2年たってもトライアルさえ受からず、1件も仕事が受注できていないような状況では、(私の場合は)きっぱり止めた方がよいと思っていました。
ちょうど講座の終了期間とも同時期だったため、私の中でこう決めていました。
「自分への投資期間(泣かず飛ばずでも頑張って夢に向かう期間)は2年まで!!」
「2年後は翻訳者になれていてもなれていなくても、アルバイトは辞める」
繰り返しますが、その理由はアルバイトは翻訳者になるための、なるまでのつなぎだからです。だらだらやっていても意味がありません。
自分との約束通り、2カ月前に辞めました。翻訳業のみで収入を得るようになりました。
現在の収入は上に書いた通りです。
額としては、アルバイトで稼いでいた額プラスα程度の金額ですので、それほど大差はありません。
でも、収入源のシフトは私にとって非常に大きな意味を持ちます。
お金に色はありませんが(アルバイトで稼いだ1000円も翻訳で稼いだ1000円も価値は同じ。どちらが偉いとかすごいとかはありません)、今は仕事をしながらそれが勉強になり、資産として蓄積していくのです。
アルバイトで稼いだお金をもとに翻訳業をまわすのではなく、翻訳業で稼いだお金で翻訳業をまわす。
この変化は私にとって非常に大きなことなのです。
この変化は、「2020年の大きな変化ベスト3」に入ります。
一方で少しばかりの課題も……
専業あるあるだと思うのですが、案件が立て込むと、ほんっっっとうに外に出ない。運動不足になります。これは大いに反省というか、やはり強制的に何かを入れないとずっと家の中で作業しているのです…
自分の中ではまったく苦ではないため、外に出ない日々はさらに続く。はぁ…
アルバイトを辞めて2カ月。ここ、改善は急務です。健康のためにも。
4、理系知識がバリバリついて、どんな明細書でも読めるように…なっていない
いや、ここは正直に、一生ならないのだろうなと逆に実感しました。実際にやってみて。技術は絶えず進歩しますし、広すぎるし深すぎる。本当に。
でも、こんなことはできるようになりました。すべて講座受講開始時点ではできなかったことです。
明細書を渡されて、初見という状況。
- これはどの分野で、大枠として何のことを言っているのか
- 私はどこがわかっていなくて、どのくらいわかっていないのか
- どこを調べたら(恐らくは)一番近いルートで知りたい情報にたどり着けるか
- どのくらいやれば穴を埋められるか
- (案件を完成させるという目的で進めると)どこはやらなくてもよいか
これを見極められる力はしっかりとつきました。まだまだ底上げする必要がありますが。
この「案件と自分との距離」を見積もるためには、基本的な理系の知識は欠かせないと心底実感しています。基礎知識がないと、ヒントにたどり着くためのヒントの検討さえつかないと思います。
ここは講座の学習、特に理系シリーズの学習で得た知識が大いに役に立っています。理系学習、本当に苦しかったですが、あのときにちゃんとやっていて本当によかったです……
まとめ
以上が2020年のまとめ+講座期間(2年間)終了時点の私の着地点です。
まとめると、
2020年できたこと:
・翻訳でお金を稼ぐことができた
・専業にシフトできた
・そのベースとして、トライアルも相当数、受けた
・ここには書けないくらいの多面的アプローチも地道に継続した
2020年終了時点、講座終了時点での課題:
・収入源はほぼ1社に依存
・月収ベースがまだまだ低い
・仕事でいっぱいいっぱい(まだ慣れていない部分あり)
・案件取り組み中は勉強時間激減
・ブログ、YouTube更新頻度が低くなりがち
私の中での「初めての仕事フェーズ」を優先したため、止まってしまったことも少なからず出てきました。2021年は仕事をしながら、それ以外の種まきもしっかりとやっていきたい。というか、やっていかないと先はない。
ここまでは「私の着地点」を書きました。これは、感想というよりも報告です。
これとは別に、「レバレッジ特許翻訳講座」を2年間みっちりやってきた感想として、特に中国語特許翻訳者を目指した立場から、実際に感じたことを正直に書いてみたいと思います。
私なりに全力で走ってきました。受講生として、感じたことを正直に書きたいと思います。そして特許翻訳者として仕事をするようになれた今の自分の立場からも、客観的にレビューしたいと思います。
※長くなるので記事を分けます