皆さんこんにちは!今日はビールに関する話題をひとつ。
もう6月ですね。だんだん暑くなって、ビールの季節到来ですね。皆さんはビールお好きですか?
私は毎日中国のニュースをチェックしているのですが、昨年の夏こんなニュースがありました。
「中国のビール市場が回復」
日本のビールメーカーが見たらそれはそれは羨ましいでしょう……。なぜなら、日本のビール市場は14年連続で縮小しているからです。あぁ。。。


中国の動向はというと……
そのニュース曰く、2018年1月から6月の中国国内のビール消費量は昨年同期比で1.2%増加。平昌オリンピックやサッカーW杯など、大型イベントがビールの消費を後押ししました。特に高価格帯商品が好調とのこと。また、デリバリーサービスの拡大も大きく貢献。中国は世界最大のビール市場で、その規模はアメリカの2倍、日本の8倍にもなります。

えっと…… オリンピックやサッカーW杯、日本でもありました……よね。なぜ日本ではビール消費量が減少しているのでしょうか。原因のひとつとして、若者のビール離れがあげられます。「ビールの苦味が嫌い」「ビールは古臭い」こんな意見を持つ若者がたくさんいます。
もうひとつの原因は、酎ハイ市場の拡大。調査によると、20代の若者は家でお酒を飲むとき、ビールよりも酎ハイを選ぶ人が多いという。

実は私もビールより酎ハイ派です。私は決して若くはないのですが、やっぱりあの苦味は苦手です。中国にいるときはチンタオビールを飲んでいましたが、けっこうさっぱりして飲みやすかったです。日本のビールってとても濃厚なので(もちろん、ビールの美味しさはそこ!)どうしても味にパンチがあるというか……
あとは「太る印象がある」ということ。そして、私がビール苦手な大きな理由に「とある日本の習慣」があります。
日本人は仕事のお付き合いでビールをよく飲みます。そして口をそろえて言うフレーズ「とりあえずビールで!」
もちろんこれを否定するわけではありません。けれども、仕事のときは自分の飲みたいお酒を選ぶなんてタブー。毎回必ずビールを飲む必要があり(営業だったので多少のお付き合いも仕事……)、ビールを飲むと「仕事中」という感じがどうしてもしてしまうのです(笑)
個人的な感想はここまでにして、話を戻します。
では、日本のビール業界ってもう衰退するだけなのでしょうか。何か手立てはないのでしょうか。
最近、こんなニュースが飛び込んできました。
キリンビール、2月に「Home Tap」サービスを開始!
Home Tap??これっていったい何のことでしょう。
これはキリンビールが始めた新サービス、いわば定額制ビールです。毎月7500円で新鮮なビールを4L(2L×2回)届けてくれます。そして、イケてる専用サーバーもついてきます。


申し込みは既に締め切っており、抽選によりサービスの提供者が決まります。
この新サービス、実は日本の技術がぎゅっとつまっています。そのひとつが使用されているPETボトル。

Home Tapで届けられるビールには特殊なPETボトルが使用されています。その秘密はDLCコーティング。
DLCとは、ダイヤモンド ライク カーボン(DIAMOND-LIKE CARBON)の略で、ダイヤモンドとグラファイト(炭素が層状になっている物質)の間の構造をもっています。機械分野で部品の研磨などに多く用いられます。このDLCをPETボトルのガスバリアに応用。キリンが開発したDLCコーティングは、炭素と水素の元素比が7:3で、この比率は高い柔軟性と高いバリア性を実現できるのだそう。
ビールも含めて、炭酸飲料にとって「透過」は永遠の課題です。例えば、「酸化」は外気の酸素がPET層を通過して中の液体に到達することで起こります。色や味に影響が出てしまいます。
そして、炭酸ガスについてもそう。炭酸飲料の魅力は飲んだ瞬間のしゅわっと爽やかな味わいです。しかしPETボトルは気体の行き来を完全にシャットアウトすることはできません。時間の経過とともに、炭酸ガスが抜けていきます。いわゆるガス抜けですね。
キリンが開発したPETボトルは、酸素の透過率を90以上カットし、炭酸ガスの透過率も80 %以上のカットを実現しています。

この技術はキリンビールの特許です。2003年にはすでに関連特許が公開されています。
特開2003-341673 DLC膜コーティングプラスチック容器の製造装置/麒麟麦酒株式会社
特開2006-213390 プラスチック容器のガスバリア性向上方法/麒麟麦酒株式会社
これらの技術がビールの鮮度保持に大きく貢献しています。
でも…… 「消費者一人のビール消費量」という観点から見た場合、このサービスが普及すればするほどスーパーでビールを買う機会減っちゃいますよね。市場で一番ボリュームがあるのは、やはり缶ビールですから。
この新サービス、ビール業界の救世主となるのでしょうか!?今後の動向にも注目です。