【学習履歴】6/13(木)~6/14(金)

学習時間:24時間
(6/13:12h、6/14:12h)

<視聴ビデオ>
0176_P&G特許を読む(76)~(86)
3140_トライアル時の注意点
3141_偏差値と実践力

その他
マクマリー有機化学(~p20)
明細書2件(中国語:機械/日本語:食品)
読書 一生食えるプロのPDCA

※うち、ブログ記事作成にかけた時間 3h
 本記事:1h
 駐妻ブログ:2h

フィッシュアンドチップス=「魚とチップス」?

P&Gシリーズを進めています。対訳学習を進めていて、明らかな誤訳を発見しました。私が進めているのは中国語との対訳なので、英→中の翻訳時に出た誤訳ということです。この一文、中国語で対訳学習をされた方は恐らく皆さん引っかかったはずです。

その一文がこちら:【0066】の中の一文

【英語】Triglyceride esters such as Vegetable and animal fats and oils.
【日本語】植物及び動物の油脂などのトリグリセリドエステル
【中国語】如蔬菜和动物脂和油的甘油三酯酯类。

これ、英日は問題ないのですが……。試しに、中国語を日本語に直訳してみますね。

【中国語】如 蔬菜  动物脂  油  甘油三酯酯类。
 
  ~などの/野菜//動物の脂//油//トリグリセリドエステル

順番が入れ替わるのはいいとして、皆さんもうお気づきですよね。。。名詞が1つ多いのです。

ビデオセミナーでは最初に日本語を確認し、英語をあてて確認するという流れです。私も最初に日本語を確認して、中国語をあてこみます。その瞬間、頭が「???」

どういうことやと英語の方を確認したら…… そうだったのか。

fats and oils (=油脂)を、脂と油と訳してしまったのですね。

し…正直すぎる。。。これ、例えると「フィッシュアンドチップスはビールとよく合うな~♪」という台詞を、「魚とチップスとビールはよく合うな~♪」って訳しているのと同じです。

フィッシュアンドチップスはそれでひとつの名刺(料理名)ですし、fats and oilsも「油脂」というひとつの名刺です。

そしてこの一文、もうひとつ違和感が。

それは「蔬菜(shucai)」この単語。日本語では「野菜」となります。植物油脂の「植物」の部分にこの単語があてられているのは恐らく「Vegetable」からきているのでしょう。

でもこれ、完全な間違いではないのです。

例えば、日本でも「ベジタブルオイル」って言葉があるように、中国にも「蔬菜油 shucaiyou」という単語が存在します。なので、言っていることは通じるのです。

しかし、対になっているのって「動物油脂」ですよね。オリーブオイルやごま油の話をしているのであれば「〇〇オイル」でも言葉の粒度は同じですが、トリグリセリドエステルも出てくる分子レベルの話をしているのですよね。その意味でも 「油脂」ってひとまわり大きなカテゴリになるので、動物油脂と対になる言葉としてはおかしいと思いました。

となると、ベジタブルオイルと植物油脂の「差」は何かということになるのですが、この2つの比較だと植物油脂が広義でベジタブルオイルが狭義になります。

さらには、JASで使用されている言葉も「動物油脂」と「植物油脂」です。

念のため百度(中国の検索エンジン)で調べると、「植物油脂zhiwuyouzhi」(植物油脂)という言葉はありますが、「蔬菜油脂shucaiyouzhi」(ベジタブル油脂)はヒットしません。(「蔬菜油shucaiyou」はヒット)

明細書では「油脂」の話をしているので、ここはやはり「蔬菜shucai」ではなく「植物zhiwu」を使用するべきだと思いました。

では、この一文をどう直すかですが、私はこう直しました。

【明細書】如蔬菜和动物脂和油的甘油三酯酯类。
【修正後】甘油三酯酯类,如植物油脂以及动物油脂。

「A,如B」で「BなどのA」というチャンクなのですが、明細書の中に何十回も登場します。他の箇所は問題ないのに、何でこの一文だけこんな変な訳だったんだろうと不思議ですが……

でも、とてもよい勉強になりました。

硬化と固化

本日はもうひとつ発見がありました。

明細書の中で「固化剤」という言葉が出てくるのですが、これって何だろうと思って少し手を止めて考えていました。

「たぶん何かを固めるんだろうなー。そして何かが硬くなるんだろうなーきっと。うーん、あれ、たしか硬化って言葉もあったよな。ここ、「硬化」じゃだめなの?」

ふとした疑問から「硬化」と「固化」って何が違うの問題へ発展。ニュアンスはわかるのですが……

結論はこちら:

【硬化(こうか)】
柔らかい物質がなんらかの化学的作用によって硬くなっていくこと。
⇔軟化

Wikipedia

【固化(こか)】
かたくなること。物質が、気体または液体の状態から固体の状態変化すること。「溶液が固化する」
⇔融解

コトバンク

自分の言葉で説明します。

硬化→硬さレベルがアップすること

固化→固体の状態になること(状態の変化

ここまで確認して明細書を進めると、やはり「液体基剤を固体化させる」という内容が出てきました。

頭の中で整理できると、意外とシンプルな違いだったんだ!

……と思いましたが、

これって逆に難しくないですか?「状態の変化」って、岡野の化学で「気体・液体・固体」「水の三態」をしっかり学習したからこそ、「ほうほう、状態の変化ね」「融解の逆ね」となるのですが、例えば小学生に「状態ってなあに?」って聞かれると、説明するのが一気に難しくなります。

「固化」という言葉が出てきた瞬間、「状態の変化」「分子の運動レベル」「結合」などなど、小さな知識のつながりと理解がないと、実際のところ何が起こっているかわからないということです。

基礎の基礎がいかに大切か、今回の学習で改めて実感しました。

今日は発見が多い一日でした。明日も頑張るぞ!