こんにちは!
今週、食品業界ニュースでこんなのがありました。
透明なコカ・コーラが“パワーアップ”して再登場、「コカ・コーラ クリアライム」発売
食品産業新聞社 5/28ニュース


日本ではこの「透明飲料」がたくさん発売されています。飲んだことありますか?

写真の飲料は全て水ではありません。コーラ、ミルクティ、ラテ、そしてなんとビールまで!これらは全て無色透明。見た目は水ですが、一口飲んでびっくり、それぞれの「ネーミング通り」の味がします。
日本ではこの透明飲料が大流行り。昨年の夏に多くの新商品が発売され、市場が拡大しました。

一年経ってみて、ブームも落ち着くのかなと思っていました。しかし、飲料大手が新商品を発売し続けるというのは、今後も市場拡大の余地があると見込んでいるからでしょう。
昨年、各飲料メーカーがこぞって商品を出したのはなぜなのでしょうか。そして売れ行きがよかった理由は何なのでしょうか。
透明飲料が支持された一番の理由が「新しさ」です。誰もみたことのない飲料、これでした。水に見えるのに飲んでみると全然違う、このギャップが消費者を「試してみたい!」と思わせたのですね。
そして、SNSも市場拡大に一役買いました。若年層は商品を手に取ってすぐその感想をSNS上に発信します。それを見た人が「私も試してみたい」と思い、これがうまい具合に連鎖していったのです。
メーカー曰く、消費者がこの商品をオフィスで飲むシーンを想定したとのこと。「仕事中にジュースを飲むとお菓子を食べているような感覚を持って少し罪悪感を感じる。しかし水と同じ無色透明であれば、周囲の目を気にすることもない」このような意見は事実として多かったそう。
透明印象に関係する特許もたくさん出ています。調べてみると、請求項に「透明飲料」と入っているのは全部で33件の特許があり、一番古いものは1988年に公開されています。
最新のものは2018年に公開されたサントリーの特許になります。
サントリーは透明飲料に関して複数の特許を保持しています。その中のひとつがこちら。
国際公開番号:WO2018/016110
発明の名称:カフェイン含有無色透明飲料
簡単に説明します。
消費者はカフェインの苦味に敏感であり、一般的な飲料に関しては香料などの食品添加物で苦味を低減しています。しかし、透明飲料ではこの手法を使うことが難しいとされています。
理由は、透明飲料を購入する消費者は、水を飲んだときのような爽快感を求めているので、香料を多量に使用すると味に影響を及ぼしてしまいます。そのため、使用する香料の種類、量にはかなりの制限がかかってしまうとのこと。
そこで研究を重ねた結果、飲料中に糖と酸を所定量含有することで、味に影響することなくカフェインの苦味を低減できることを発見しました。
請求項を確認すると、糖はブドウ糖、果糖およびショ糖から選ばれ、酸はクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、リン酸および乳酸から選ばれます。添加後にpH調整も行います。
透明飲料は飲料メーカーの技術がぎゅっとつまっていますね!日本を訪れた際には、ぜひぜひ試してみてくださいね!
※アイキャッチの画像はこちらからいただきました: 週刊ポストセブン