トライアルの結果(4社目)

本日、トライアルの結果を受けとりました。

結果を受け取ったのは4社目です。

今回は、不合格の知らせでした。

過去にブログで「今までで一番いっぱいいっぱいだった」と書いたトライアルでした。

やっぱり落ちていたか…… 仕方ないな。なんて感情はありませんでした。持てる力を全て出しきって必死に食らいついていったと思っていたので。なので、同じ「やっぱり」でも、感じたことは「やっぱり落ちていたか」ではなく「やっぱり実力の最大ラインがまだまだ低いのだ」でした。

不合格通知を受け取り、返信したあとは、「何が足りなかったのか」「何を得たのか」を考えていました。

足りなかったもの

考えられる敗因は主に、

  • 課題数が多く(分野も多岐にわたり)全体の集中力が落ちた
  • 法律文書や約款の中で定型文の使い方に素人感が出た
  • 固有名詞の扱い方が不慣れだった(日本語に変換するものと中国語そのままで置いておくものの使い分けができていない)

です。

契約書、約款や投資資料などは毎回苦戦します。恐らく、特許文書を全く見たことがない人が突貫工事で(見様見真似で)訳出しても穴が出るのと同じで、私の訳出した契約書の文体も穴があったのでしょう。そして、課題数も多く、ひとつひとつの解像度が薄れていたと感じています。

「苺ショートケーキ作って」と言われてなんとか完成。苺も入っているし、ベースはちゃんとスポンジケーキだし、生クリームもたっぷりだし。

でも、全体はぐちゃぐちゃ。材料は合っているし味も(口に入れれば)同じですよね。けれども、「見た目が美しくなく、ケーキらしい外観じゃない」となると、それはもはや「苺ショートケーキ」ではありません。苺ショートケーキと同じ材料で作った、同じ味がする、「ただの甘い食べ物」です。

いくら意味が通っていたとしても、「法律ケーキ」「契約書ケーキ」にふさわしい形をしていなければ、「ただ文字が並んだだけのそれっぽい文章」なのです。

合格には程遠いです。

上記以外にもまだ見えていないことがたくさんあると思います。そこは冷静に向き合う必要があります。

訳文自体の細かい見直しは時間を取って実施しますが、まずは今感じることを記録に残しました。

得たもの

結果は不合格でしたが、トライアル取り組みにあたり得たものもありました。これはこれで財産にして次に生かしていこうと思います。

今回のトライアルは新しい挑戦が3つありました。

1、台湾の翻訳会社に初めてアプローチした
2、窓口とのやり取りは終始中国語だった
3、提出物は全て中国語で用意する必要があった

まず、1について。

とあるきっかけがあり、台湾の翻訳会社に応募することにしました。これはどういうことが想定されるかというと、トライアルには台湾の背景知識が必要になるということです。

簡体字案件であれば情報は中国大陸の情報を取りにいく必要がありますが、繁体字案件は背景知識の場所が台湾になるので、台湾サイドに情報を取りにいく必要があります。簡体字とは動きも、ヒントにすることも違ってきます。

情報を取りに行った後の訳出では明らかに実力不足でしたが、今回の情報収集・背景知識学習を通じて、台湾案件だとどういうふうに動けばよいかが少し見えました。

「ちょっと面倒だな」「手間かかりそうだな」「(市場が大きい)簡体字だけでいいかな」なんて思わなかったわけではないですが、最初にマインドブロックを外しておけば後々動きやすくなることもあると思い、繁体字には早めに挑戦することにしました。小さな壁を超えることができたと思っています。

※少し前から感じていたことですが、言語を「中国語・簡体字」で出したとしても、トライアル課題に繁体字を入れ込んでくる翻訳会社が過去に2社ありました。なので、簡体字登録者が繁体字翻訳を求められることはゼロではないということです。翻訳会社からすれば同じ中国語ですものね。

そして、2について。

こちらも非常に勉強になりました。中国の翻訳会社とやり取りしたことは今まで何度かあったのですが、全て日本法人を通したやり取りで、つまり言語は日本語、流れも日本人ぽい流れでの対応でした。

今回は全て現地と直接やり取りしたので、ちょっと身構えつつではあるものの、メールの表現、やり取りの空気感など、ひとつずつ体感しながら進めることができました。

細かな表現などは上海に住んでいたときにお世話になっていた知人(語学系の仕事をしている人)に見てもらい、フォローしてもらいました。こういったやり取りのニュアンスは教科書やネットにもなかなか掲載されていないので、非常に助かりました。

私の中でひとつの「型」のようなものができたので、次回からも活用できそうです。

最後に、3について。

中国語版のCVは過去に作ったことがあったのですが、今回それを大幅に焼き直して最新のものを作成。提出したものは繁体字ですが、今後のために簡体字版も合わせて作成し、ストック。

CVや提出物を現地の言葉で作成するのは非常に労力が必要なことですが、自信がある内容のものをひとつ準備しておけば後が楽です。「翻訳会社によって丸っと差し替える部分」「アレンジする部分」など色分けして、マスターCV(中国語・最新版)をつくりました。

一番大きなものは繁体字に対するマインドブロックが完全に外れたこと。

とはいえ、結果は不合格。翻訳という本筋部分ではまだまだ足りないことが多すぎます。この部分が一番コアとなる部分なので、そこで負けては結局のところ意味がありません。

ここはきちんと時間をかけて分析し、対策を練っていきます。

~トライアル応募情況~
1社目:トライアルなしで登録のみ
2社目:不合格
3社目:返事なし
4社目:合格
5社目:返事なし
6社目:返事なし
7社目:合格
8社目:課題提出済み、合否待ち
9社目:課題提出済み、合否待ち
10社目:【今回結果受取り】 不合格