トライアルで「こうすると動きやすかった」と感じた行動や、それに使用した自作ツール(と呼べるほどのものではないですが……)を今回ご紹介します。
先日、2社目の合格通知をいただいたとブログにアップしました。この翻訳会社のトライアルを提出したのは2カ月以上前のことです。提出後のふり返りをしたのも同じ時期で、記憶もだいぶ薄れていました。
今回、2カ月前の資料、自身の行動記録や所感を引っ張り出してきて、改めてふり返りを実施。合格したときに私が嬉しいと思うことは、「あのときのあの行動、正解だったってことだな」とやっと思えることです。
その時点では「きっと正解のはず」と思っても、結果が来ていなければ確信が持てないものが多いです。逆に「あぁ、やっぱりあの行動がよくなかったのだ」と思い知らされることもあります……。悔しいですが。
まだまだ試行錯誤中ですが、現段階で「これは役に立っている」と感じるものだけをシェアしたいと思います。
これからトライアルを受験する方の一助になれば幸いです。
これやってよかったなと思うこと
枠捉えシート

自作です。「枠捉えシート」と勝手に名付けました。A4縦1枚サイズです。使い方は、トライアル課題に取り組む前にこのシートに概要を整理していく、という非常にシンプルなものです。
私の場合、課題を受け取ったらとりあえず全てプリントアウト。文字数をカウントして、EKWordsでキーワードを抽出したら(中国語の場合はあてにならないことも多いですが)、一度通しで読み込みます。このシートへの書き込みはその次です。
なぜわざわざエクセルで作成したかというと、理由は2つあります。
1つ目は、毎回手書きが面倒だからです。
1社目のトライアルの課題を捉えるために、「これはこういった構成で」「キーワードはこれで」なんてノートにぐちゃぐちゃ書いていました。その作業で頭の中を整理できたところはありますが、「毎回こんなぐちゃぐちゃじゃ面倒すぎるな、効率悪いな」と思い、フォーマットを作りました。 エクセルベタうちでめちゃくちゃシンプルなものですが……
そのときに「この視点の整理はいらなかったな」という項目は省きました。よって、必要最低限の項目になっています。
2つ目は、背景知識学習(資料の検索)時に迷子にならないようにするためです。
AとBとC(全て大項目)を調べないといけないときに、Aを調べて、Bを調べて… Bの途中のB-aが気になって、B-bも調べたい、気がつくとbからMやN(今回はさほど関係ない)にいってしまいそうになったり…… そういった失敗が1社目のトライアルでありました。
結果、無駄な時間を費やしてしまったり、労力をかけて調べたことが「実はあんまり貢献しなかった」ということになってしまったり。トホホ。
なので、トライアルの中で大きな構成比を占める「関連知識学習」のステップで迷子にならないための地図のような役割をしています。
平たく言うと、「今いらないものを探しにいかないようにする」ということです。
後のトライアルでも、これを横に置いて、迷子にならないように随時チェックしながら知識収集をしていました。訳出時にも確認することもあります。訳出に夢中になると往々にして「読み手は誰か?この文章の目的は何か?」を忘れそうになるので……
また、このシートをトライアル作業に入れ込むメリットは、「後に考えるポイントを事前に意識した上で、課題読み込み(初見)を行える」です。つまり、後にこのシートを書くという前提で読むと、ただ単に読むのではなく、「拾いたい情報を意識しながら読める(脳が動く)」ということです。
恐らく、何も意識しないで読むよりも、原文への理解度(理解できなくても、どういったものなのかわかる確率)が格段に上がっていると思います。
きっと一流はこういう作業を頭の中で瞬時にやってしまうのでしょう。本当は、こういったものを用意しなくても頭の中でぱぱっと整理できればよいのですが、今の私のレベルでは無理なので、手作りツールの力を借りています。
行動計画フォーマット

これは、時間に関するフォローツールです。
1社目の時間配分を基に計算式を入れており、合計時間(提出までに使える時間)を入れると、時間配分の目安をざっと割り振ってくれるというシートです。
1社目のトライアルを終えたときに感じたこと。それは、
背景資料学習にこんな時間かかったの!?
でした。
実際にトライアルを経験してみると、ここはこのぐらい時間を割くべき、ここは意外と短い時間でいける、などが見えてきました。1社目ということもありかなり細かく記録していたので、それを基にスケジュールたたき台を作成。
これを作成するとき、「一からスケジュール作成する手間を削減する」が目的でしたが、もう1つ役立っている点があります。
それは、「調査、背景知識の学習にこれだけの時間(割合)を使っても大丈夫」と思うことができる=落ち着いてそのステップに取り組むことができる ということです。
私の場合、トライアルに関しては、訳出作業よりも背景知識調査にかけている時間の方が圧倒的に長いです。頭では「必要な時間」とわかっていても、そこにすごく時間がかかってしまっていると、途中で何か焦ってくるんですよね……。
でも、最初にこうやって具体的な数値で書かれたものがあると、すごく時間がかかっていても「そもそもこれぐらいの時間はかかる(かけるべき)もの」ということが目で見え、焦らずに済みます。
仮に同じ資料・同じ量に目を通したとしても、焦った気持ちで学習するより落ち着いて取り組んだ方が理解度が上がると感じています。当たり前か。
これ通りにきっちり進めなければ!とは思っていないです。大幅に遅れそうな場合はアラームとして機能していますが。専門用語がほとんどなく、けれども内容理解がややこしいタイプは「この時間を削ってここを増やそう」とアレンジしています。あくまでそのベース材料となるもの、という位置づけです。
接続詞・記号の訳出一覧
色々書き込みをしているのでここにはアップしませんが、接続詞や記号の使い方に関して一覧を作成し、見えるところに貼り付けています。
作成した理由は2点あります。
一度間違えそうになったものは、次もそうなることを認識すべき(恐らく文章を読むときの癖のようなものがある)
「こっちの方がよいかな?」なんて思うことがありそうなものは、明確な理由とともに答えを用意しておいてあげるべき(将来の自分に向けて)
と感じたからです。
特に、中国語でよく出てくる記号や接続詞は、「このパターンのときはこう訳す」「この文書タイプはこう訳す」と補足も入れています。
これぐらい私はわかっているよなんて思っていた内容でも、訳出時に「あれ?えっと」と一瞬迷ってしまうものもありました。そんなときは少しだけ時間をとってもう一度しっかり復習します。
※接続詞がめちゃくちゃ入り組んでいる一文が出てきたとき、考えているうちにわけがわからなくなってノートに再度整理したときもありました


以上、私がトライアルでの失敗を基につくった即席ツールでした。一流が使う特殊な技法やテクニックではなくすごく初歩的な内容ですが、何かの参考になれば幸いです。
私もまだまだ試行錯誤中です。